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オペラ

「白狐」

(全3幕)

​解説

<解説>

〜第1幕〜

阿倍野の国守・保名の許婚である姫・葛の葉を恋慕う魔導師・悪右衛門(あっけいもん)は、白狐コルハの持つ魔法の宝玉の力により葛の葉を我が物にしようと企み、狩人たち、猟犬、鷹を引き連れて狩りへと向かう(男声合唱「狩人の合唱」)。悪右衛門がコルハを矢で射とめ(アリア「コルハの宝玉」)、宝玉を奪おうとするところで保名が現れ、悪右衛門も思いを寄せる葛の葉の誕生日に殺生は慎むようにと諭され、止む無く断念して逃げ去る。保名は、九死に一生を得たコルハに宝玉を返し、「仏の慈悲を信じ、善行を積み、より高き転生を求めよ」と言い聞かせる(小アリア「より高き化身を」)。

 

やがて、葛の葉の侍女たちが、姫様の誕生日の祝宴を飾るため、草花を摘みに集まって来る(女声合唱「愛の霧の中へ」)。そこへ保名が登場し、葛の葉への愛を歌い(アリア「崇高な光が、世界を満たし」)、葛の葉が保名へ愛の歌を返し(アリア「あなたの愛に、魂は目覚め」)、互いに愛をささやき、二人は幸せなひとときに浸る(二重唱「愛のやすらぎ」)。

 

保名と葛の葉が愛を語らっていると、慌てふためく葛の葉の侍女たちが、悪右衛門により保名の城に火が放たれたことを告げ、保名たちは逃げようとするが、瞬く間に悪右衛門の軍勢に囲まれてしまう。応戦の甲斐無く保名は傷を負い、葛の葉は悪右衛門に連れ去られ、保名の手の中には、葛の葉の袖だけが残る(フィナーレ「降伏せよ」)。

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